ご家族がお亡くなりになった場合には、夫婦間、親子間、兄弟姉妹間で相続が発生します。何事もなく相続を行うことが一番ですが、相続はルールが複雑なことに加え、お亡くなりになった方と相続人との関係性、相続人同士の関係性、相続財産の性質といった様々な要因が絡み合い、紛争へ発展してしまうことが少なくありません。
当事務所では、将来相続が起きた際にトラブルを起こらないようにするための予防から、既に紛争になってしまった場合の解決まで、相続に関する幅広い法的サービスを提供いたします。
遺産分割請求事件に関する典型的な留意事項としては、以下のようなものがあります。
これらの項目に関してお悩みの場合は、ぜひお早めに当事務所にご相談ください。
遺産分割協議等の前提として問題となり得るのが、相続人の範囲やその所在です。
事案によっては、代襲相続が発生し、全く接点のない相手を含め多数の共同相続人が存在する場合もあります。
このような場合、相続人が誰でどこに住んでいるのかといった点を一個人で調査・特定するのは困難ですが、弁護士等の一部の専門職はその職権により戸籍や住民票を収集することができますので、この点に関してお困りの際は、ぜひ当事務所にご相談ください。
遺産分割協議等においては、遺産の範囲が争点となることがあります。
たとえば、相続人の一人が被相続人の身辺財産を管理していた場合などに、他の相続人が、開示されている現金預貯金等以外にも同様の財産が別途存在するはずであると主張する場合などです。被相続人の死亡直前に多額の預貯金の引出しがなされている場合などにも、その引き出された財産の帰属をめぐって紛争となることがあります。
このような場合、預金口座が存在すると思われる銀行などに被相続人死亡時の残高証明書や、死亡前後の取引の明細等の開示を求めたりすることで、その存在や内容等を把握できる場合があります。
遺産に不動産や非上場株式が含まれる場合は、その評価額が争点となることがあります。
不動産の取得を希望する当事者はできるだけ低額に、その他の預金や代償金の取得を希望する当事者はできるだけ高額に不動産評価額を主張した方が有利ということになりますので、これらの当事者間で不動産評価額に関する主張が大きく対立することは少なくありません。
また、上場株式と異なり、必ずしも価値が明確でない非上場株式(同族会社の株式等)についても、同様に評価額に関する主張が大きく対立することがあります。
これらの場合、不動産鑑定士や税理士等の専門職の協力も得ながら適正額の主張立証を目指すことになりますが、当事務所ではこれらの専門他士業と連携した対応が可能です。
相続人の一人が、被相続人の生前に、被相続人から特別の金銭援助を受けていた場合などには、その額を一旦遺産の額に加え、これを(たとえば)法定相続分にしたがって分割したのち、上記相続人の一人の取得分から上記援助金銭相当額を引くという形で遺産分割を行うことによって、相続人間の平等を図る制度が法律上存在します。
もっとも、どの範囲をもって特別受益と解するか、特別受益の根拠となる事実をどのように立証するか、各相続人がそれぞれ少なからず特別受益を受けていると認められる場合にこれらをどのように調整するかといった複雑な問題が生じるため、特別受益に関する主張が含まれる遺産分割紛争については、その解決を弁護士に委任することをおすすめします。
相続人の一人が、被相続人の生前にその看護や財産管理等を献身的に行って被相続人の財産の維持・増加に特別の貢献をしていた場合などには、これを金銭評価した額を一旦遺産の額から除き、これを(たとえば)法定相続分にしたがって分割したのち、上記相続人の一人の取得分に上記貢献を金銭評価した額を加えるという形で遺産分割を行うことによって、相続人間の平等を図る制度が法律上存在します。
もっとも、どの範囲をもって特別の寄与と解するか、寄与を金銭的にどの程度と評価すべきか、寄与の根拠となる事実をどのように立証するかといった複雑な問題が生じるため、寄与分の主張が含まれる遺産分割紛争については、その解決を弁護士に委任することをおすすめします。
当事者間の交渉によって遺産分割協議を成立させることが困難な場合は、遺産分割調停の申立てを行い、家庭裁判所の関与によって協議解決を目指すことになります。
調停期日には、家庭裁判所が選任した調停委員が同席し、基本的には各相続人が入れ替わり部屋に入って自らの主張や根拠資料を調停委員に示し、これらを踏まえて法的・事実的に穏当と思われるような解決策を調停委員が各当事者に促し、協議解決を目指します。
このような調停は、数回にわたって行われ、最終的に協議が成立した場合には、遺産分割協議書に代わる公的な書面として、調書というものが作成されることになります。
遺産分割の調停は、調停委員の関与のもととはいえ、あくまで話し合いによる合意解決を目指すものです。仮に調停委員の勧める解決方法が客観的に妥当な内容であっても、いずれかの相続人がこれに従った解決を拒絶し、最終的に合意解決が実現しなければ、その理由を問わず、調停は不成立となります。
その場合、最終的には、遺産分割の審判によって紛争が解決されることになります。審判は、調停とは異なり、審判官(家庭裁判所の裁判官が務めます)が、各当事者の主張及び提出された根拠資料(証拠)等を踏まえ、法的な根拠に基づいて、遺産分割方法を一方的に決定します。
この審判に対しては、不服を申し立てる機会が保障されていますが、最終的に審判が確定した場合には、各相続人がこれに従う義務を負うことになります。
遺産侵害額請求事件に関する典型的な留意事項としては、以下のようなものがあります。
これらの項目に関してお悩みの場合は、ぜひお早めに当事務所にご相談ください。
被相続人の遺言が存在する場合であっても、その内容が一定の法定相続人の最低限の権利(遺留分)を侵害する場合には、当該一定の法定相続人は、遺言の執行によって財産を取得した者に対し、遺留分を主張することができます。
この遺留分を有する者は、法律上、「兄弟姉妹以外の相続人」とされています。
したがって、被相続人の父母、配偶者、子、子の代襲相続人たる孫などは、遺留分を主張できますが、被相続人の兄弟姉妹は、遺留分を主張できませんので、注意が必要です。
遺留分紛争においても、多くの場合、遺留分侵害額の特定(算出)にあたって遺産の範囲や評価額が問題となります。これらの点については、前述の遺産分割紛争の場合と同様です。
また、遺言によって財産の遺贈を受けた者等が複数いる場合(とりわけその中に遺留分を有する法定相続人も含まれている場合)などには、遺留分侵害額として具体的に誰にいくらを請求すべきかの計算が、複雑になってきます。
このような問題を含む遺留分侵害額請求事件については、弁護士に委任することをおすすめします。
遺留分侵害額請求の意思表示は、遺留分権利者が「相続の開始(=被相続人の死亡)及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時」から1年以内でかつ、相続の開始時から10年以内にする必要があります。
上記の時点から1年或いは10年を経過してしまうと、遺留分侵害額請求をできる地位は消滅し、以後、請求することができません。
したがって、遺留分侵害額請求は、期限内にこれを行ったことを後で立証できるよう、内容証明郵便等によって行う必要がありますので、注意が必要です。
遺言書の主な類型と留意事項としては、以下のようなものがあります。
これらの項目に関してお悩みの場合は、ぜひお早めに当事務所にご相談ください。
遺言者がその全文(財産目録を除く)と作成の日付、氏名を自書し、押印することによって作成する遺言書です。
自筆証書遺言は、証人等を要さず、コストも掛けずに自分一人で簡単に作成できる点でメリットがありますが、法定の要件に反する体裁で作成した場合、遺言自体が無効になってしまうのため、注意が必要です。
また、遺言者の死後、自筆証書遺言を発見した者は、家庭裁判所にこれを持参して検認手続(相続員全員に呼出状を送って遺言書を確認する手続)を取らなければならないので注意が必要です。
加えて、自筆証書遺言については、相続開始後に、遺言によって法廷相続分を制限される立場にある当事者により自筆性等が争われる例も少なくありません。
公証人役場において、証人2名の立会のもと、遺言の趣旨を公証人に口頭で伝え、公証人が筆記した内容が正確なことを確認したうえで各自が署名押印することによって作成する遺言です。
作成された遺言書の原本は、公証人役場において保管されます。公証人関与のもとで作成・保管されることから様式不備や紛失の恐れがなく、第三者による偽造・変造の恐れもないため、一定の費用は掛かるものの、おすすめの方式です。
遺言者の死後、裁判所における検認手続が必要ないという点もメリットといえます。
相続放棄に関する留意事項としては、以下のようなものがあります。
これらの項目に関してお悩みの場合は、ぜひお早めに当事務所にご相談ください。
相続放棄は、「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3カ月以内(熟慮期間といいます)に、家庭裁判所に相続放棄の申述をして行う必要があるので注意が必要です。
具体的には、相続放棄申述書を作成して印紙を貼り、戸籍謄本等の必要書類を添付して、家庭裁判所に提出します。これが受理されると、相続放棄ができたことになります。
また、いったん相続放棄をすると、たとえ熟慮期間内であっても撤回ができないとされているので注意が必要です。
熟慮期間内であっても、既に単純承認をしたものとみなされる場合には、原則として相続放棄はできませんので、要注意です。
例えば、死亡直後に被相続人名義の預金を引き出して消費してしまった、被相続人が残した遺品を他者に売却してしまった、被相続人宛の督促状を見て債務を弁済してしまったというな場合は、その後熟慮期間内に相続放棄の申述を行っても受理してもらえない恐れがあります。単純承認行為に該当するか迷われる場合は、一度弁護士に相談することおすすめします。
各種相続問題への幅広い対応と豊富な解決実績
当事務所の所属弁護士は、遺産分割、遺留分侵害額請求その他の多様な相続問題について豊富な解決実績があります。安心してご相談ください。
交渉や手続はすべて弁護士が行います
他の相続人との交渉や調停・訴訟等の手続はすべて弁護士が引き受けます。相手方と直接話をする必要はなく、裁判所に何度も足を運んでいただく必要もありません。
予防法務にも精力的に対応しています
当事務所では、実際に生じた相続問題への対応だけでなく、遺言書作成その他の事前対策のサポートなど予防法務にも精力的に対応しています。